震災から復活!身も心も温まる熊本の宝!銭湯”世安湯”が再開!




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あの光景を見た時……

どうなるんだろう?再開できるのか、それはいつも”阿蘇び心”熊本店の受付で手作りマップにクーピーで印をつけて「ここの銭湯は身も心もあったまりますよ!」ゲストさんにそう伝えてはシャンプー、ボディソープを手渡し”いってらっしゃい”とお見送りしている近所の銭湯”世安湯”

事の始まりは、シェア飯をするある日の夜の事。待てど、待てど女性ゲストさん帰ってきません。何かあったかな?そう思っていたらその女性ゲストさん「お待たせしました!あそこの銭湯の若女将さんがとても良い方でついつい話が弾んで遅くなりました」

私も最初は???それから、そんな事が度々あり、その都度ゲストさん「こんないい銭湯初めてです」と嬉しそうにいいます。

紹介したこちらはゲストさんが喜ぶなら安心して紹介出来る、何よりゲストさんが熊本で人の温かみにふれた事で又熊本へ来てくれるきっかけを作ってくれありがたい!

私は1年に1つ新たなチャレンジを試みます。2016年は漫才に挑戦しようか、それとも”落語”……。そして落語に挑戦。練習を始め数ヶ月、まだ1つの話しか出来ない、しかも古典落語を素人の私がほぼオリジナルの話に変えた話はとても人前で披露できるレベルでない。

それがなんと”世安湯”の風呂場で銭湯落語デビュー!その時、ゆみさん(世安湯の若女将)が場を盛り上げようと笑ってくれたのが今でも心の救いです。

そんな坂崎さん夫婦とは地域のご近所さんと一緒に忘年会をしたり、”阿蘇び心”のイベントにも来てもらったり親しくおつきあいさせて頂く仲。そんな平和な日々が当たり前と思っていた時、あの日がやってきます。

4月16日、熊本地震。

まさか!地震の数日後に気になって車で世安湯へ行き、お2人の無事をまず確認。するとゆみさん「じゃけんさん、見てください」そういわれ銭湯を見ると煙突が倒れ、それが浴室へ無惨に。自然の脅威を感じると同時に言葉が出てこない。何て声かけたらいいのか。

ただ思うだけでは伝わらない、お二人に現状と話を聞いて出た言葉は「今、何か1つでも手伝える事、出来る事ないですか?もしよければ、目の前にある瓦礫をみんなで運んで出しましょう。

震災後、私は”阿蘇び心”スタッフに相談して宿を休業、スタッフはボランティアで普段お世話になっている阿蘇店、熊本店の地域へ連日足を運び物資、炊き出しなどボランティア活動を一ヶ月行い、”世安湯”には全国から集まった仲間達と1日だけ瓦礫の撤去を行いました。

そんな震災ボランティア活動をしていると、毎日作業後に入るお風呂が何より癒されます。そしてお風呂のありがたみに気づきます。それは避難所に避難している方々も同じ、食料が足りてもフロに入れない、そんな時熊本市内の銭湯は営業できる所が率先して受け皿となり多くの方に癒しを提供してくれました。その時、私は銭湯の存在の大きさを知りました。

しかし、そんな銭湯の多くが地震の影響で建物損傷激しく震災後に多くの銭湯が廃業してしまいました。銭湯は一度やめると再開するのが大変だと聞いています。

休業している世安湯はどうなるのか?

それからも世安湯にたまに顔を出しては坂崎さん夫婦が今どんな気持ちだろう?それを考えると言葉をかけるのがためらわれます。普段どおりに世間話だけをします。

そして坂崎さん夫婦は誰よりも地域の人の事を考え、相当大変な道と知っていながら世安湯再開へ動きだしました。その時私は1つの事を決めました。それは再開する日まで絶対に2人に「がんばって!「再開いつですか?」と言わない。

それは2人は言葉にこそださなかったですが、他の人が考えるよりも深く悩み、銭湯の今後を考え、そして自分たちが熊本の銭湯を守る。その道は果てしなく険しい、それを2人はやると決めた。そして、旦那さんは名古屋へ銭湯の修理の研修に行って自分で出来る事は1人黙々と作業。ゆみさんは毎日のように熊本銭湯という、熊本の銭湯ブログを更新。

もう十分がんばっている2人に”がんばって”なんて言えない。2人はすでにがんばりすぎているから。私はそこで2人にはこれまで通り世間話だけをする事にしながら、昨年の4月からここまで言葉ではなく心で応援してきました。

そして今年に入り博多に宿を立ち上げるために、私が熊本へまったく帰れない生活が始まり、世安湯へ足を運ぶ事もなくなっていました。気がつけば自分の宿をオープンした夏、”阿蘇び心”熊本店のスタッフから連絡が入る「じゃけんさん!世安湯再開秋に決まりそうです!」

その一報を聞いたとき、自分の事のようにうれしく!同時に坂崎さん夫婦の笑顔が見れる!そう思うと去年の災害後で最大に明るい話題!まさに熊本地震で傷ついてしまった多くの人の心の支え、力になると思った。

そして11月1日、世安湯は再開を果たした。この日は私にとっても忘れられない日。この日、世安湯へ行った熊本店スタッフからフェイスブックにリニューアルした世安湯の写真が送られてきたが、私はまだ見ない。

それは、あれだけの状況から坂崎さん夫婦がオープンまでどんなに辛かったか、そして迎えたリニューアルした姿を私は自分の目で見たい。そして1年半の間、坂崎さん夫婦に掛けられなかった言葉をおくりたい「よくがんばりましたね!おめでとうございます!」

そして”阿蘇び心”の受付でも11月1日から手作りマップで「ここの銭湯は身も心もあったまりますよ!」その言葉をゲストさんに笑顔で言える日が来た。これで時が止まったあの震災からようやく動き始めたように思う。

坂崎さん、ゆみさんへ。

熊本の大切な宝!銭湯を再開してくれて本当にありがとうございます!今月、熊本へ帰ったらすぐに世安湯に行きます。